基本概念

基本概念

科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム)

20世紀までの科学技術の急激な発展は、人類に繁栄と生活の質の向上をもたらしました。しかし、科学技術の恩恵は世界のすべての人々に及んでいるわけでなく、むしろ世界の多くの人々がその恩恵にあずかっていないのが現状です。健康を維持すること、人類の生存に必要なエネルギー需要を充足することをはじめとして、人類の快適な生活を支える多くのことが科学技術の継続的な進歩に依存しています。こうしたことから、科学技術の発展と普及と妨げる種々の障壁について検討を深めることは非常に重要なことであると考えます。

科学技術の進歩は、一方で、経済成長と地球温暖化との調和、先端技術の悪用防止による人類の安全の確保、感染症の制御、クローン技術の人間への適用における期待される健康上の利益と倫理との関係など、環境上、安全上及び倫理上の重大な問題を提起しています。科学技術の応用を誤ることによって人類自身の未来が脅かされる可能性もあるのです。科学技術は、21世紀にその歩みを加速し、持続的な人類の発展をもたらす鍵として期待されています。我々はその叡智を結集してこうした科学技術を活用するとともに適切にコントロールしていく必要があります。

我々が直面している問題は、グローバリゼーションと国際競争を背景にますます複雑化しているため、一国だけでは解決できるものではありません。また、これらの問題は、その多くが社会システムの見直し、国際協力、世界規模のネットワーク及び共通のルール形成を通じて解決策が見出されるものであるため、科学者のみによって構成される科学コミュニティだけで解決できるものでもありません。

科学技術分野における共通の価値観の確立に向け、科学技術の研究者だけでなく、世界中の政治家、経営者、ジャーナリストなどのオピニオン・リーダーが21世紀の科学技術の問題を議論し、世界規模の行動につなげていくことが期待されています。

以上の理由から、私たちは科学技術と社会に関する問題を人類に共通なものとして議論するため、2004年11月に第1回「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム)」を開催し、以降、毎年1回秋の京都においてフォーラム(年次総会)を開催してきました。また、その間、2006年3月には特定非営利活動法人として新たに発足しました。